Hagiko’s diary

外資系金融20年超のバリキャリ女性が、働きすぎて身体を壊した痛い経験から、自分で実験した健康管理術を綴ります。

本を自費”出版”しました(その2)

父の17年間、17万字の思いを本にして、親しい方々約70名にお送りしました。

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 父が出身高校の同窓会会長を務めていた間、個人的に興味をもったこと、時世イベントへの意見、所感/雑感などを同窓会メンバーの方向けに、3か月ごとに同窓会HP上で「会長メッセージ」として発信していました。

話題は政治、経済、時事問題から教育、スポーツ、文芸、科学、歴史、宇宙など幅広くカバーしていました。①テーマは幅広く②内容はわかりやすく③好奇心を持って書く を基本姿勢に、続けていたら膨大な量になっていた、という感覚みたいです。

ちょうどイチローの引退ニュースとともに、会長メッセージも引退することになりました。書き始めた当初2-3年は時候の挨拶程度でしたが、2006年に母が亡くなったあと、四国お遍路に行って人生の洗濯をして、その後は、自分の遺言として書き綴ってきたようです。やはり結構な体力を使っており、自分の思いも達成されたからか、2019年春以降は筆をおいています。再開も一切しない、とのことです。

冊子になるまで紆余曲折がありました。当初、同窓会HPが諸事情で閉鎖されることになり、原稿が消去されてしまう可能性があったので、慌てて生データを引き取りました。元データは保存しておいたものの、書体、形式、順番もバラバラでそのままでは使えませんでした。

が、そのままにしておいても仕方ないので、自分で日記形式のウェブサイトとして残しておくことにしました。

まず体裁を整理するとともに、政治ネタ、経済問題など、話題ごとにタグ付けしてみました。読み進めてみると一回の文章でもネタが多岐にわたっており、タグ付けにも相当な時間と手間がかかりました。週末の隙間時間で対応し、3か月ぐらいは余裕でかかりました。Microsoftワードファイルにまとめてみたら、18万字を超えており、どうりで大変なわけだ、、、と納得。

出来上がったのがこちらのサイト。更新はしてませんが、記念として残してあります。

こちらも父の友人にお知らせして、何人かは見てくださったようです。

nobuhagitani.jimdofree.com

その後、父(78歳)の世代だとインターネットを使わない人もいるだろう、とのことで電子ファイル形式にまとめてメールで送ったらどうか、との話になりました。

こちらは時系列形式でまとめて、インターネットしない友人にメールで配ったそうです。それなりに反響はいただいたようです。

 

さらにその後、私が入っているオンラインサロンで、Kindle本を出版される方が多数いて、せっかくだから本にしたらどうか、と父に持ちかけました。

Kindleは、Microsoft Word電子ファイルのみ用意すればOKなので、追加コストゼロ。原稿もある。99円から自己責任(校閲、校正は出版社ではなく自分の責任でやる)で出版できます。こちらも驚きでトライしかけましたが結果的には辞めました。理由は①本人を知っている親しい人にだけ配布したい ②価格を付けるにそぐわない ③17万字と量が多すぎる との思いが強かったからです。

さらにその後、紙の本を格安で自費出版できるとの話を目にしました。本を出す=出版社から出す だけではない手段があることを知りました。こちらは、紙の本の形にしてくれる「製本」だけで、Kindle同様、校正、校閲は自己責任です。Microsoft WordだけあればOK。製本に出すファイルはPDFファイルですが、WordからPDFへの変換ツールはその会社が無料で提供してくれます。

お試しで一冊作成したときは、記念として手元に保管するだけでいい、と言ってたのが、実際に出来上がった冊子を見たら痛く感動したようで、親しい友人に配りたい!!となりました。

A4判、120ページ、厚さ2㎝、重さ380g、字も沢山。最初は200人と言ってましたが、結構なお荷物を送りつけてご迷惑ではないのか、、、と一応懸念して、配る人を厳選することにしました。結果、70人弱となりました。

一回目のお試し冊子から、人に配る前提でさらに改善しました。改善点は以下の通り。

更に校正をかけて文章の構成、間違いなどをチェックしました。すると修正箇所が10か所以上でました。お試し前に10回以上読んだはずなのに、、、やっぱり人間一人の能力には限界がありますね。

A4判にびっしりの字はさすがに疲れるので、ホッと一息つけるような写真を追加してみることにしました。写真は父がスマホデビュー後、日々の散歩途中で撮影した花の写真から選びました。

紙の冊子にした思いも残しておくと、後々の記録になるかな、ということで、前書きと後書きを追加することにしました。前書きは父が担当し17年、17万字への総括を。後書きは私が担当し冊子にするまでの経緯と父の近況をまとめました。

送り状も追加しました。いきなり大きな冊子を送ると、いくら父と親しいとはいえでもビックリされるのではないかと思ったからです。挿絵にも送付する3月に合う桜の写真を付けてみて、なかなか創造的で楽しい作業でした。

 

かかった費用と時間について(総合計11,7979円)

  • 原稿作成までにかかった費用(ゼロ)

すべてGoogle DocumentとMicrosoft Wordで作成できました。

写真も自己撮影とフリー素材(送付状に使った桜の写真)からもってきました。

 

  • 冊子の製本代 と 自宅への郵送代(10,4213円)

「製本直送」というサイトで、一番コスト安なコースで注文しました。(ページ数で印刷代と郵送代が決まります)

www.seichoku.com

全138ページ(表紙、裏表紙は最初と最後のページで代替、画像50%未満、普通便)で、10,0233円(約1273円/一冊、10%割引あり)、自宅への郵送代3,980円、合計10,4213円でした。

商品の到着は、普通便なら発注日+7日見ておけば大丈夫です。(6営業日目に発送、到着まで東京都内で1-2日かかりました)

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  • 自宅から送り先への郵送代(13,266円)

郵便局の「クリックポスト」を利用、合計13266円(198円/一冊×67件)でした。

clickpost.jp

全国一律198円、厚さ3㎝以内、重さ1キロ以内、A4サイズ以内なら対応できます。

ネット決済OK、郵便ポストに投函OK。住所は手書き不可/指定の郵送ラベルを指定サイトで作成して、糊付けして発送します。ラベル作成は、クリックポストのサイトで指定枠に入力、自宅のプリンターで印刷します。カラー印刷、白黒印刷どちらでもOK。ただし、ラベルに有効期限があり、ラベル作成から1週間以内です。期限を過ぎたら最初からやり直しです。郵送しなければ決済されないので料金はかかりません。発送から1日か2日で日本全国に届きます。

定形外で重さがある書物を、普通郵便などクリックポスト以外の方法や、ヤマト便で出そうとした場合、一冊500円以上かかりますので、クリックポストはお勧めです。

ただ、クリックポストのラベル作成と決済には、予想外に手間取りました。

指定サイトで入力できるのは一件ごと、またはCSVファイルに記入してアップロード(最大40件)。ラベル作成はまとめて対応可能なのは20件まで(まとめて印刷するとA4印刷で6件印刷できます。裁断が必要ですが印刷紙の節約になります)。まとめ印刷は一時保存したものから呼び出すことができず、その場で一気に印刷まで進めないと情報が消えてしまいます。

私はCSVファイルで一気にアップロードする手段を選んだものの、CSVファイルで文字化けトラブルがでてしまい、修正に予想外に時間がかかってしまいました。

おまけにアップロード件数とまとめ印刷件数の最大数が違うので、せっかくアップロードしたのに印刷できない、とのメッセージが頻発。何度もやり直す羽目になりました。

料金決済はAmazonIDかYahooID利用が選択できますが、決済は一件づつ処理(ボタンを押す)する必要があるので時間が手間がかかりでした。また、YahooID決済が途中で使えなくなり、AmazonID決済に切り替えて最初からやり直しになることもありました。

沢山のラベル印刷が必要な際は、最低1-2時間程度時間をとって対応することをお勧めします。

そして、ラベルの有効期間が1週間である点も最初考慮してなかったので、冊子が届いたのが有効期限の2日前、袋詰めとラベル貼りを半日で終えて、郵便局の受付に間に合うよう、冊子をトランクに入れて郵便局まで運び、2往復しました。

最初は小分けにしてポスト投函することを想定してましたが、ラベル有効期限とラベル作成の二度手間を避けたかったので、一気に65冊郵送することになりました。

 

  • A4袋代(500円)

ダイソーで10枚100円×5セット購入 + 家に保管してた分(ゼロ円)=500円

 

冊子を受け取った方々の半数以上から、早速嬉しいFeedbackをいただいています。

最も多かったFeedbackとして、①前書きと後書きを読んで、冊子に込めた思いに共感。特に、親子の共同作品ができるなんて羨ましい ②記載した日付が明記されているので、自分と共通する時代背景を思い返せる。貴重なデータベースとして活用させてもらう ③話題が多岐にわたっていて、目次をみて興味がわいたところから読み進めている ④自分で出版できるなんて知らなかった!

約12万円で、70名弱の方々に思いを届けられ、沢山の嬉しいFeedbackがいただけました。受け取った方々にも同じように自分の思いを形にしたいと思っている人がいれば、何等かのヒントになったのではないかと思います。ブログやウェブだとどうしても断片的になってしまうので、沢山の情報を体系立ててまとまった形で残せる紙の本はまだまだ有難い存在なのでしょうね。

そして、何より、父本人が本当に喜んでおり、生きてる間にこんな経験ができてよかった、と毎日届くFeedbackメールや電話への返信に驚き、楽しんで、ボケる暇がないぐらい超忙しいそうです。

非常によい経験ができました。

 

ご自身の思いを、まとめて残したい方のヒントになれば幸いです。